ホームページを作り直す見積もりをもらい、補助金が使えないか調べている。そんな店が検討できる制度の一つが、小規模事業者持続化補助金です。ただし、制作費がそのまま安くなる割引ではありません。ここでは2026年9月17日に確認した一般型・通常枠の第20回公募要領をもとに、制作会社へ発注する前に知っておきたい点をまとめます。
1. サイトを作ることではなく、何を売るかから考える
持続化補助金は、小規模事業者が新たなお客様を獲得するなど、販路を広げる取組を支援する制度です。一般型・通常枠の基本の補助率は2/3、補助上限は50万円です。特例による上乗せ等は別に条件があるため、この記事の計算例には含めません。
例えば、昼営業が中心の店が、近隣企業向けの会食コースを新たに売り出す場面です。人数別の料金や料理を紹介するページを作り、コースを案内する紙の資料も配る。このように、誰に、何を、どう届けるかを具体的にします。これは計画の想定例で、同じことをすれば採択されるという意味ではありません。
見た目を新しくしたい、という希望だけでは、費用をかける理由が曖昧なままです。制作会社へは『おしゃれにしてほしい』に加え、『宴会の問い合わせを増やしたい』『持ち帰り商品の注文を受けたい』など、サイトで受け付けたい注文を伝えてください。従業員数などの事業者要件に合うかは、地域の商工会・商工会議所で先に確認します。
2. 第20回は、ウェブサイト関連費の補助額に上限がある
2026年7月21日更新の第8版では、ウェブサイト関連費だけでの申請はできず、この経費区分の補助金交付申請額の上限は30万円とされています。公募要領の表記は『30万円(税込)』です。制作費そのものの上限ではなく、この区分で申請する補助額の上限である点を区別してください。
例えば、ホームページ制作費60万円だけの計画を持ち込んでも、単独申請の制限により、そのまま申請できるわけではありません。また、サイトに関係する撮影などを別の費目に書けば制限を避けられる、と考えないでください。費用は実際の使い道に合う区分で扱います。
インターネット上には以前の公募回の解説も残っています。『何年の記事か』だけでなく、何回の公募要領をもとにした説明かを確認しましょう。見積もりの相談時にも第20回の要領を示し、制作会社と店側で同じ条件を見ているか確かめます。申請時までに要領や補足資料が更新される可能性もあります。
3. 制作費30万円の店は、いくら先に用意する?
説明用に、税抜の制作費30万円と、新しいコースの販促用チラシの制作・配布費15万円を考えます。両方が対象経費として全額認められ、補助率2/3が適用されると仮定すると、制作分20万円、チラシ分10万円、合計30万円という計算になります。これは採択や交付額を約束する試算ではありません。
ここで、補助後の負担だけを見て15万円を用意すると、支払いに困ります。すべて消費税10%の取引で、税抜額を対象経費とする例なら、制作会社などへ支払う合計は49万5,000円です。補助金30万円が後から入った段階での差額は19万5,000円ですが、入金前には支払総額を立て替える必要があります。消費税の申請上の扱いは、自店の区分も含めて確認してください。
補助金のためにチラシなどを足せば得になる、という意味ではありません。使う予定のない広告物を作れば、自己負担と手間が増えます。ホームページだけで目的を達成できるなら、通常購入や別の制度も含め、店から出ていく総額で比較する方が現実的です。
4. 受付開始は11月5日。年内の制作費とは分けて考える
2026年9月17日時点、第20回は申請受付前です。公式案内では、受付開始は11月5日、事業支援計画書(様式4)の発行依頼の受付締切は12月4日、本申請の締切は12月15日17時です。様式4は地域の商工会・商工会議所に相談する書類で、本申請より先に締切が来ます。日程は変更される場合があります。
採択発表は2027年3月頃の予定で、事業を開始できるのは、さらに交付決定を受けてからです。『2026年の募集だから、今年の忘年会シーズンに間に合う制作費に使える』とは考えないでください。申請中や採択の通知だけで契約・発注へ進まず、交付決定を待つ必要があります。
例えば、11月から宴会予約を受け付けるページが必要なら、今回の交付決定を待つ計画とは時間が合いません。急ぎの更新は通常の予算で対応するか、後日実施する別の取組を計画するかを決めます。すでに発注した仕事を、後から今回の補助対象に入れることはできません。
5. 見積書は、制作と毎月の支払いを分けてもらう
見積もりを比べるときは、ページの制作、写真撮影、予約機能、公開後の更新、サーバーやドメインなど、何にいくら払うかが分かる形にしてもらいます。制作時の支出が安くても、月々の契約を含めると予算を超えることがあります。
仮に保守費が月8,000円なら、1年間で9万6,000円です。これは料金相場ではなく計算例ですが、制作費だけを見ていると抜けやすい支出です。補助対象になる期間・項目と、店が継続して払う費用を分けて見積もります。補助期間内に公開・運用へ至らなかったホームページは対象外とされていますので、納品日だけでなく公開日も相談します。
契約前には、メニューや営業時間を自分で変更できるか、解約後もサイトを使えるか、写真や原稿の利用範囲、ドメインの管理者を確認します。これらは補助金の受給可否とは別の、運営上の確認です。申請を進める場合は、下の公式案内から最新の要領と補足資料を開き、計画と見積もりを窓口に見てもらってください。
参考情報
料金、規約、制度、検索サービスの仕様は変更されることがあります。実際に契約・申請・設定を変更する前に、必ず提供元の最新情報を確認してください。
記事更新:2026年9月17日
この記事は一般的な店舗運営の考え方をまとめたものです。会計、税務、法務、労務など個別判断が必要な内容は、税理士、弁護士、社会保険労務士、公的相談窓口等へご相談ください。編集方針を見る
