飲食店の食洗機に使える補助金

対象製品・買い替え・自己負担の確認

業務用食洗機は省力化投資補助金の対象になる?カタログ注文型を中心に、登録製品の調べ方、中古や購入済みが対象外になる例、立替資金の計算を紹介します。

店内で見積書と経費を確認する飲食店オーナー
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閉店後も洗い物が終わらず、毎日片付けが延びている。業務用食洗機を検討していても、本体と工事の見積もりを見て迷うことがあります。2026年9月12日時点、中小企業省力化投資補助金のカタログには『業務用自動食器類洗浄機』が掲載されています。ただし、食洗機なら何でも半額で買えるわけではありません。ここではカタログ注文型で購入する場合を中心に説明します。

1. カタログにある機種を、登録された販売店と選ぶ

カタログ注文型は、人手不足の状態にある中小企業等が、あらかじめ登録された製品を選んで申請する制度です。一般の厨房機器カタログではなく、補助金の公式サイトにある製品カタログを使います。『このメーカーの食洗機が対象』ではなく、注文する型番まで一致するかを見ます。

公式のカテゴリ説明では、食器や調理器具の洗浄を自動で行う機器が紹介されています。店に必要なのが皿の洗浄なのか、大きな調理器具の洗浄なのかで選ぶ機種は変わります。カテゴリへの掲載と、個別製品の登録は別なので、具体的な製品を検索して確認してください。

申請は、制度に登録された販売事業者と共同で行います。いつもの厨房機器業者に相談する場合も、『この型番を、カタログ注文型で一緒に申請できますか』と聞きます。販売事業者が手続きを支援しても、店側が人手不足や事業計画の条件を満たす必要は残ります。

2. 検討できる店と、そのままでは対象にならない買い方

検討できるのは、例えば手洗いに長時間かかる店が、登録された自動洗浄機でその作業を減らす場合です。『食器を洗う人が、営業中に盛り付けへ戻れる時間を増やす』など、導入後に変える仕事を説明します。これは想定例であり、機器を設置すれば採択されるという意味ではありません。

対象外になる例は、登録のない機種を通販で買う、中古品を買う、交付決定前に購入する場合です。また、購入する製品本体の単価は税抜50万円以上という条件があります。小型機を安く買う計画なら、そもそもカタログ注文型に合わない可能性があります。

買い替えでは、いまの機械から何の作業が減るかを確認します。公式カタログには、食器洗浄機の置き換えで確認する機能・性能として、予洗い、乾燥(水切り)、運転準備が挙げられています。同じ能力の機械へ更新するだけでよいとは考えず、既存機と候補機の仕様を販売事業者に見てもらってください。

3. 補助率1/2でも、見積総額の半分が戻るとは限らない

補助率は1/2以下です。従業員数に応じた上限のほか、製品ごとに登録された補助上限もあります。設置や運搬などの導入経費にも条件と上限があるため、『厨房工事一式』を含む見積総額に、そのまま1/2を掛けないでください。消費税も対象外です。

計算の想定例です。本体100万円と導入費10万円がいずれも税抜の対象経費として認められ、各上限にも収まるなら、110万円×1/2=55万円が補助額の目安になります。見積もりの税込支払額が121万円なら、先に用意するお金は121万円です。入金後の負担は66万円ですが、入金前に66万円だけ用意しても支払えません。

別に撤去費や対象外工事がある場合、その分も資金が必要です。見積書を本体、導入費、その他、消費税に分け、対象に含められる項目を一つずつ確認します。販売事業者の試算額は見込みであり、最終的な交付額と同じとは限りません。

4. 発注は交付決定後。カード払いにも注意

2026年8月25日更新の実施・実績報告の手引きでは、交付決定通知を受け取ってから契約・発注を始めるよう案内されています。『納品を後にすればよい』わけではありません。申請中に売買契約を結んだり、内金を払ったりする前に、事務局と販売事業者へ確認してください。

同じ手引きでは、クレジットカード払い、現金の受け渡し等は認められていません。原則として補助事業者名義の口座から銀行振込で支払い、振込を証明する資料を残します。証明書類などの条件を満たす口座振替は認められるとされています。普段の仕入れと同じ支払方法でよいと思わないことが大切です。

故障して明日にも機械が必要な店では、交付決定を待つ購入計画が現実的でない場合があります。通常購入と、補助金を使って後日行う投資を分けて考えます。すでに購入した機械の領収書を使い、これから買うように申請することはできません。

5. 洗う時間だけでなく、置き場と前後の作業も測る

導入前に一度、食器を集める、残菜を落とす、洗う、戻す、という作業の時間を書いてみてください。洗浄だけが速くなっても、汚れた食器を置く場所が狭ければ、通路へ積み上がるかもしれません。給排水、電源、扉を開く幅、ラックの置き場も現地で確認します。

例えば手洗い等が一日90分で、導入後の予洗い・出し入れ・機械清掃を合わせて50分になるなら、減る作業時間は40分です。月25日営業なら約16.7時間に相当します。これは架空の計算例です。短くなった時間がそのまま給与の削減額になるとは限らず、仕込みや接客へ回す場合もあります。

採用できずに不足している作業を補うのか、閉店後の残業を減らすのかを、店内でも話しておきます。機械の洗浄能力だけで決めず、食器の形や汚れに合うか、清掃と保守を誰が行うかまで販売事業者に確認すると、買った後の行き違いを減らせます。

6. 購入後にも計画と効果の報告がある

この制度は、値引き券のように購入時だけ使うものではありません。初回申請では、導入後3年間の労働生産性を年平均3%以上向上させる事業計画が求められます。難しい計算を先に覚えるより、売上・利益・人件費など、報告に使う数字と担当者を販売事業者に確認してください。2回目以降の申請には追加条件があります。

申請時には、納品、設置、支払い、実績報告の予定をまとめます。申請書だけを作って終わりにせず、導入後の効果報告まで誰が支援するかも聞きます。賃上げと設備投資を同時に予定している場合は業務改善助成金も比較候補ですが、同じ機械代を複数の制度へ重複計上する計画にはしないでください。

参考情報

料金、規約、制度、検索サービスの仕様は変更されることがあります。実際に契約・申請・設定を変更する前に、必ず提供元の最新情報を確認してください。

記事更新:2026年9月12日

この記事は一般的な店舗運営の考え方をまとめたものです。会計、税務、法務、労務など個別判断が必要な内容は、税理士、弁護士、社会保険労務士、公的相談窓口等へご相談ください。編集方針を見る