飲食店の在庫管理を続ける方法|棚卸し・発注・廃棄の基本

在庫を数える範囲、棚卸しの頻度、発注点の決め方、廃棄記録まで、小さな飲食店で続けやすい方法を紹介します。

冷蔵庫の食材在庫を確認して記録する飲食店スタッフ
イメージ画像:飲食店DXナビ編集部制作
飲食店DXナビ編集部

公的機関・制度事務局・サービス提供会社の公開情報を確認し、飲食店向けに整理しています。

編集方針

この記事でわかること

  • 重要な品だけを決まった単位で数え、発注と廃棄を安定させる
  • 在庫を3つに分ける
  • よくある失敗と30日で進める手順
  • 飲食店での具体例とFAQ

在庫管理が続かない原因は、最初から全品を細かく数えようとすることです。金額が大きい食材、欠品すると困る食材、廃棄が多い食材から始めれば、少ない作業でも経営に必要な変化をつかめます。

この記事では、考え方だけで終わらず、店内で最初に集める数字、実際の進め方、失敗しやすい点まで順番に整理します。すべてを一度に変える必要はありません。自店に当てはまる項目を一つ選び、変更前後を同じ条件で比べてください。

こんな店向け欠品と過剰在庫が同時に起こり、棚卸しが続かない店
最初にやること高価・欠品影響大・廃棄多の3条件で数える品を10点に絞る
確認する成果在庫金額、欠品回数、廃棄数量、緊急発注を前月と比べる
読了目安6

1. 在庫を3つに分ける

すべてを同じ頻度で数える必要はありません。高価な肉・魚・酒類、回転の速い定番品、調味料や消耗品に分けます。高価な品と廃棄の多い品は細かく、動きの少ない品は月1回など、重要度で頻度を変えます。

保管場所もそろえます。同じ商品が冷蔵庫、倉庫、調理場に分散していると、在庫があるのに追加発注する原因になります。

2. 棚卸しは同じ日時・同じ単位で行う

月末営業後など、毎月同じタイミングで数えます。営業前と営業後が混ざると、売上との対応がずれます。

キロ、パック、本、ケースなど単位を固定します。開封済みの商品は、半分、4分の1など現場で判断できる単位を決めておきます。完璧な精度より、毎月同じ方法で続けることを優先します。

3. 発注点は納品までの日数から決める

残りが少なくなった感覚だけで発注すると、担当者によって量が変わります。1日の平均使用量、納品までの日数、安全分を使って、発注する在庫量の目安を決めます。

曜日や予約によって使用量が変わる食材は、通常日と繁忙日を分けます。天候で客数が動く店は、直近の予約と天気も確認します。

4. 在庫表に残す項目

項目を増やしすぎると記録が止まります。判断に使う項目だけに絞ります。

ここで確認すること

  • 品名と保管場所
  • 数える単位
  • 現在庫
  • 発注点と発注量
  • 仕入単価
  • 廃棄数量と理由
  • 記録した日と担当者

飲食店での具体例

CASE

高価な酒と欠品しやすい食材だけから始める例

全品棚卸しが続かない店なら、高価な酒5品と欠品すると看板商品を出せない食材5品に絞ります。1日の使用量と納品日数から発注点を決め、緊急発注が起きた品だけ修正します。

この例で大切なのは、最初から大規模なシステム導入や全面変更をしていない点です。対象を絞り、変更前の数字を残しておけば、結果が良くなかった場合も元へ戻せます。店の業態や客層によって結果は変わるため、他店の成功例をそのまま当てはめず、自店の数字で判断します。

よくある失敗と避け方

改善策そのものが間違っていなくても、確認する順番や比較条件がずれると成果が見えません。特に次の3点は、実施前に店内で共有しておきます。

01

初日から全品を細かく数える

作業が重くなり続きません。経営への影響が大きい品から始めます。

02

数える単位が人によって違う

本、袋、キロなど単位を固定し、開封済みの数え方も決めます。

03

在庫表と発注を分ける

数えただけで終わらず、発注点、納品日数、予約数へつなげます。

30日で進める実行手順

忙しい店でも止まらないように、1週間ごとに目的を一つだけ置きます。途中で問題が見つかった場合は次へ進むより、記録方法や店内ルールを先にそろえます。

  1. 1週目|対象と保管場所を決める重要品10点の置き場と数える単位を統一します。
  2. 2週目|使用量を測る通常日と繁忙日の平均使用量を記録します。
  3. 3週目|発注点を決める納品までの日数と安全分を加えて目安を作ります。
  4. 4週目|例外を直す欠品、廃棄、緊急発注が起きた品だけ基準を修正します。
判定の基準

在庫金額、欠品回数、廃棄数量、緊急発注を前月と比べる。売上や比率が良くても、接客品質、再来店、スタッフの作業負担が悪化している場合は、続け方を見直します。

よくある質問

棚卸しは月1回で十分ですか?

月次原価の把握には月1回が基本になりますが、高価な品や動きが速い品は週次・日次で見る方が早く異常に気づけます。

在庫管理アプリは必要ですか?

品数や店舗数が少なければ表計算でも始められます。先に品名、単位、担当、頻度を決め、入力が重くなった段階で検討します。

安全在庫は多いほど安心ですか?

欠品は減りますが、現金が在庫に変わり、廃棄も増えます。納品日数、使用量の振れ、代替品の有無から決めます。

確認に使える情報

料金、規約、制度、検索サービスの仕様は変更されることがあります。実際に契約・申請・設定を変更する前に、必ず提供元の最新情報を確認してください。

最終確認:2026年7月19日

この記事は一般的な店舗運営の考え方をまとめたものです。会計、税務、法務、労務など個別判断が必要な内容は、税理士、弁護士、社会保険労務士、公的相談窓口等へご相談ください。編集方針を見る