飲食店のモバイルオーダーは必要?

向いている店・向かない店と費用の見方

QRコードで注文する仕組みは、小さな飲食店でも役立つのでしょうか。注文が集中する店と対面接客が中心の店の違い、見積もりの項目、導入前に試したい操作を紹介します。

開店前の店内でタブレットを確認する飲食店オーナー
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料理を運んでいる途中で、別の席から追加注文に呼ばれる。そんな場面が重なる店では、お客様のスマホから注文できる仕組みが役立つかもしれません。ただ、注文の受け方が変わっても、調理や配膳の人数は同じです。店のどの仕事に時間がかかっているかで、導入の効果は変わります。

1. 店内注文とテイクアウトの事前注文は別の機能

店内用のモバイルオーダーは、テーブルのQRコードなどからメニューを開き、お客様自身で注文する仕組みです。注文内容がレジへ届くものもあれば、厨房への伝達に別の機器が必要なものもあります。いま使っているレジと連携できるかは、契約前の確認事項です。

例えばAirレジ オーダーには、店内のお客様がスマートフォンで注文する機能と、スタッフがハンディで注文する機能があります。公式FAQでは、どちらの注文もAirレジへ自動連携すると説明されています。モバイル注文を導入しても、すべてのお客様にスマホ操作を求める必要はありません。

持ち帰り用の事前注文は別の用途です。来店前の注文・決済に対応するサービスなら、店頭での受付を減らせます。ただし、受取時間の指定や受付停止、店内注文との調理順をどう扱えるかまで確認してください。店内用を申し込めば、持ち帰りの事前決済も含まれるとは限りません。

2. 追加注文が多い店では検討しやすい

居酒屋のドリンク追加や、席数の多い店のランチなど、注文を取りに行く回数が多い営業は検討対象になります。注文を聞く、端末へ入力する、厨房へ伝えるという作業のうち、どこが省けるのかを店内の動きに沿って確認します。

例えば、1時間に30回の追加注文があり、聞き取りと入力に1回40秒かかると仮定すると、合計20分です。これは説明用の計算で、20分すべてを削減できるという意味ではありません。スマホ操作の案内、注文の訂正、品切れの説明に使う時間が残ります。

導入前に数日だけでも『注文を取りに行った回数』『聞き直し』『入力ミス』を記録しておくと、導入後に変わった点を確認できます。売上の増減だけでは、天候や客数の影響と区別しにくくなります。

3. 料理の説明や厨房の混雑が中心なら、別の対応も必要

カウンター越しの会話で注文が決まる店や、日替わり料理を詳しく説明する店では、入力作業より接客に時間を使っています。説明を画面へ移すことで注文しづらくなるなら、口頭での注文を残した方が営業に合います。

厨房がすでに手いっぱいの場合、注文だけが速く届くと未提供の料理が増えることもあります。注文数の制限、品切れ表示、提供までの案内をどう行うか、料理を作る担当者と相談してから始めてください。

電池切れ、通信がつながらない、操作に慣れていないお客様への対応も必要です。『スマホが使えない場合はスタッフが承ります』と卓上に添え、紙のメニューやスタッフ端末を用意しておくと、席に着いてから困らせずに済みます。

4. 見積もりは、初年度の支払総額で比べる

月額料金のほかに、初期設定、メニュー登録、写真の準備、端末、プリンター、通信回線、保守費がかかる場合があります。今のレジを交換する必要があるなら、その費用も含めてください。決済機能を使う場合は、注文システムの料金と決済手数料を分けます。

仮に初期費用6万円、月額1万円なら、初年度の固定費は18万円です。端末代や決済手数料が別なら、支払総額はさらに増えます。この金額は計算例で、特定サービスの料金や相場ではありません。見積書の金額で同じ計算をしてみてください。

  • いまのレジで使えるか、買い替えが必要か
  • メニューの追加・値上げを店側で直せるか
  • 最低利用期間と解約時の費用
  • 故障や通信障害が起きた日の注文方法
  • 土日や夜間に問い合わせできるか

5. 少人数の店では、人件費より接客の変化を見ることもある

店主とスタッフ1人で営業している店では、注文の手間が減っても、すぐに勤務時間を短くできるとは限りません。同じ人数で料理の説明や片付けをしやすくなった、という変化もあります。削減できた作業時間をそのまま給与の削減額に換算すると、実際より安く導入できたように見えてしまいます。

月額費用を増やしても続けられるか、注文を待たせる場面が減ったか、という両方を確認します。注文回数が少なく、現在の接客で困っていないなら、レジや回線の更新時期まで導入を待つ選択もあります。

6. デモでは注文の訂正と会計まで試す

きれいなメニュー画面を見るだけでは、営業中に使えるかは分かりません。実際によく出る注文で、『ドリンクを追加』『売り切れに変更』『間違えた注文を取消』『別々に会計』まで試してみます。アレルギーや苦手な食材の相談を、画面だけで完結させない案内も確認してください。

導入するなら、スタッフが操作に慣れる時間を取り、落ち着いた営業日から始めます。最初の週は口頭注文も受け、困った操作をメモしておきます。月額費用に見合うかは、実際の作業時間と、お客様からの問い合わせを見て判断できます。

参考情報

料金、規約、制度、検索サービスの仕様は変更されることがあります。実際に契約・申請・設定を変更する前に、必ず提供元の最新情報を確認してください。

記事更新:2026年9月6日

この記事は一般的な店舗運営の考え方をまとめたものです。会計、税務、法務、労務など個別判断が必要な内容は、税理士、弁護士、社会保険労務士、公的相談窓口等へご相談ください。編集方針を見る